国民健康保険法

国民健康保険とは

国民健康保険は、健康保険等の被用者保険に加入できない地域住民等を対象とする医療保険である。

 

国民健康保険法の沿革

1938年(昭和13年)

国民健康保険法が制定される(昭和13年4月1日法律第60号)。

昭和13年法律第60号は、「旧法」と呼ばれている。

1958年(昭和33年)

国民健康保険法が全面改正される(昭和33年12月27日法律第192号)。

昭和33年法律第192号は、「新法」と呼ばれている。

 

国民健康保険法の目的

国民健康保険法の目的については、国民健康保険法1条に定めがある。

(この法律の目的)

第一条 この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。

 

国民健康保険法の保険事故

国民健康保険法の保険事故については、国民健康保険法2条に定めがある。

(国民健康保険)

第二条 国民健康保険は、被保険者疾病負傷出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする。

 

国民健康保険の保険事故は、被保険者の疾病負傷出産又は死亡である。

保険給付は、被保険者に対して行われる。

 

国民健康保険の保険者

国民健康保険の保険者については、国民健康保険法3条に定めがある。

(保険者)

第三条 都道府県は、当該都道府県内の市町村(特別区を含む。以下同じ。)とともに、この法律の定めるところにより、国民健康保険を行うものとする。

2 国民健康保険組合は、この法律の定めるところにより、国民健康保険を行うことができる。

 

国民健康保険の保険者は、次の2種類である。

  1. 都道府県及び当該都道府県内の市町村特別区を含む。)
  2. 国民健康保険組合

 

費用の負担

国の負担

組合に対する負担

(国の負担)

第六十九条 国は、政令の定めるところにより、組合に対して国民健康保険の事務(高齢者の医療の確保に関する法律の規定による前期高齢者納付金等(以下「前期高齢者納付金等」という。)及び同法の規定による後期高齢者支援金等(以下「後期高齢者支援金等」という。)並びに介護保険法の規定による納付金(以下「介護納付金」という。)の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を負担する。

 都道府県に対する負担

第七十条 国は、都道府県等が行う国民健康保険の財政の安定化を図るため、政令で定めるところにより、都道府県に対し、当該都道府県内の市町村による療養の給付並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に要する費用(第七十三条第一項、第七十五条の二第一項、第七十六条第二項及び第百四条において「療養の給付等に要する費用」という。)並びに当該都道府県による高齢者の医療の確保に関する法律の規定による前期高齢者納付金(以下「前期高齢者納付金」という。)及び同法の規定による後期高齢者支援金(以下「後期高齢者支援金」という。)並びに介護納付金の納付に要する費用について、次の各号に掲げる額の合算額の百分の三十二を負担する。
一 被保険者に係る療養の給付に要する費用の額から当該給付に係る一部負担金に相当する額を控除した額並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に要する費用の額の合算額から第七十二条の三第一項の規定による繰入金及び第七十二条の四第一項の規定による繰入金の合算額の二分の一に相当する額を控除した額
二 前期高齢者納付金及び後期高齢者支援金並びに介護納付金の納付に要する費用の額(高齢者の医療の確保に関する法律の規定による前期高齢者交付金(以下「前期高齢者交付金」という。)がある場合には、これを控除した額)
2 第四十三条第一項の規定により一部負担金の割合を減じている市町村又は都道府県若しくは市町村が被保険者の全部若しくは一部についてその一部負担金に相当する額の全部若しくは一部を負担することとしている市町村が属する都道府県に対する前項の規定の適用については、同項第一号に掲げる額は、当該一部負担金の割合の軽減又は一部負担金に相当する額の全部若しくは一部の負担の措置が講ぜられないものとして、政令で定めるところにより算定した同号に掲げる額に相当する額とする。
3 国は、第一項に定めるもののほか、政令で定めるところにより、都道府県に対し、被保険者に係る全ての医療に関する給付に要する費用の額に対する高額な医療に関する給付に要する費用の割合等を勘案して、国民健康保険の財政に与える影響が著しい医療に関する給付として政令で定めるところにより算定する額以上の医療に関する給付に要する費用の合計額(第七十二条の二第二項において「高額医療費負担対象額」という。)の四分の一に相当する額を負担する。

附則

(病床転換支援金の経過措置)
第二十二条 高齢者の医療の確保に関する法律附則第二条に規定する政令で定める日までの間、第六十九条中「及び同法の規定による後期高齢者支援金等(以下「後期高齢者支援金等」という。)」とあるのは「、同法の規定による後期高齢者支援金等(以下「後期高齢者支援金等」という。)及び同法の規定による病床転換支援金等(以下「病床転換支援金等」という。)」と、第七十条第一項(附則第九条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)中「及び同法の規定による後期高齢者支援金(以下「後期高齢者支援金」という。)」とあるのは「、同法の規定による後期高齢者支援金(以下「後期高齢者支援金」という。)及び同法の規定による病床転換支援金(以下「病床転換支援金」という。)」と、同項第二号(附則第九条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)中「及び後期高齢者支援金」とあるのは「、後期高齢者支援金及び病床転換支援金」と、第七十三条第一項及び第二項中「及び後期高齢者支援金」とあるのは「、後期高齢者支援金及び病床転換支援金」と、第七十五条、第七十五条の七第一項、第七十六条第一項及び同条第二項(附則第九条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)並びに第八十一条の二第九項第四号及び第五号中「及び後期高齢者支援金等」とあるのは「、後期高齢者支援金等及び病床転換支援金等」と、附則第七条第一項第二号中「及び後期高齢者支援金」とあるのは「、後期高齢者支援金及び病床転換支援金」と、附則第二十一条第三項第二号中「調整対象基準額」とあるのは「調整対象基準額及び当該特定健康保険組合が負担する病床転換支援金の合算額」と、同条第四項第二号中「調整対象基準額」とあるのは「調整対象基準額及び当該特定健康保険組合が負担した病床転換支援金の合計額」とする。

療養給付費等負担金

市町村の療養の一般被保険者に係る給付に要する費用額から一部負担金に相当する額
を控除した額並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、
訪問看護療養費、特別療養費、移送費及び高額療養費の支給に要する費用の合算額(以下
「医療給付費」という。)から、保険基盤安定繰入金の2分の1相当額を控除した額と、前
期高齢者納付金及び後期高齢者支援金並びに介護納付金の納付に要する費用の額との合
算額の一部を負担するものであり、その負担率は100分の34である。

高額療養費共同事業負担金

高額な医療費を都道府県単位で負担調整する事業に要する費用の4分の1を負担するも
のである。

(国庫負担金の減額)
第七十一条 都道府県又は当該都道府県内の市町村が確保すべき収入を不当に確保しなかつた場合においては、国は、政令で定めるところにより、前条の規定により当該都道府県に対して負担すべき額を減額することができる。
2 前項の規定により減額する額は、不当に確保しなかつた額をこえることができない。
(調整交付金等)
第七十二条 国は、都道府県等が行う国民健康保険について、都道府県及び当該都道府県内の市町村の財政の状況その他の事情に応じた財政の調整を行うため、政令で定めるところにより、都道府県に対して調整交付金を交付する。
2 前項の規定による調整交付金の総額は、次の各号に掲げる額の合算額とする。
一 第七十条第一項第一号に掲げる額(同条第二項の規定の適用がある場合にあつては、同項の規定を適用して算定した額)及び同条第一項第二号に掲げる額の合算額の見込額の総額(次条第一項において「算定対象額」という。)の百分の九に相当する額
二 第七十二条の三第一項の規定による繰入金及び第七十二条の四第一項の規定による繰入金の合算額の総額の四分の一に相当する額
3 国は、第一項に定めるもののほか、被保険者の健康の保持増進、医療の効率的な提供の推進その他医療に要する費用の適正化等に係る都道府県及び当該都道府県内の市町村の取組を支援するため、政令で定めるところにより、都道府県に対し、予算の範囲内において、交付金を交付する。
(都道府県の特別会計への繰入れ)
第七十二条の二 都道府県は、都道府県等が行う国民健康保険の財政の安定化を図り、及び当該都道府県内の市町村の財政の状況その他の事情に応じた財政の調整を行うため、政令で定めるところにより、一般会計から、算定対象額の百分の九に相当する額を当該都道府県の国民健康保険に関する特別会計に繰り入れなければならない。
2 都道府県は、前項に定めるもののほか、政令で定めるところにより、一般会計から、高額医療費負担対象額の四分の一に相当する額を当該都道府県の国民健康保険に関する特別会計に繰り入れなければならない。
(市町村の特別会計への繰入れ等)
第七十二条の三 市町村は、政令で定めるところにより、一般会計から、所得の少ない者について条例で定めるところにより行う保険料の減額賦課又は地方税法第七百三条の五に規定する国民健康保険税の減額に基づき被保険者に係る保険料又は同法の規定による国民健康保険税につき減額した額の総額を基礎とし、国民健康保険の財政の状況その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算定した額を当該市町村の国民健康保険に関する特別会計に繰り入れなければならない。
2 都道府県は、政令の定めるところにより、前項の規定による繰入金の四分の三に相当する額を負担する。
第七十二条の四 市町村は、前条第一項の規定に基づき繰り入れる額のほか、政令で定めるところにより、一般会計から、所得の少ない者の数に応じて国民健康保険の財政の状況その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算定した額を当該市町村の国民健康保険に関する特別会計に繰り入れなければならない。
2 国は、政令の定めるところにより、前項の規定による繰入金の二分の一に相当する額を負担する。
3 都道府県は、政令の定めるところにより、第一項の規定による繰入金の四分の一に相当する額を負担する。
(特定健康診査等に要する費用の負担)
第七十二条の五 国は、政令で定めるところにより、都道府県に対し、当該都道府県内の市町村による高齢者の医療の確保に関する法律第二十条の規定による特定健康診査及び同法第二十四条の規定による特定保健指導(第八十二条第一項及び第八十六条において「特定健康診査等」という。)に要する費用のうち政令で定めるもの(次項において「特定健康診査等費用額」という。)の三分の一に相当する額を負担する。
2 都道府県は、政令で定めるところにより、一般会計から、特定健康診査等費用額の三分の一に相当する額を当該都道府県の国民健康保険に関する特別会計に繰り入れなければならない。
(組合に対する補助)
第七十三条 国は、政令の定めるところにより、組合に対し、療養の給付等に要する費用並びに前期高齢者納付金及び後期高齢者支援金並びに介護納付金の納付に要する費用について、次の各号に掲げる額の合算額を補助することができる。
一 次に掲げる額の合算額に組合の財政力を勘案して百分の十三から百分の三十二までの範囲内において政令で定める割合を乗じて得た額
イ 療養の給付に要する費用の額から当該給付に係る一部負担金に相当する額を控除した額並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に要する費用の額の合算額から、当該合算額のうち組合特定被保険者(健康保険法第三条第一項第八号又は同条第二項ただし書の規定による承認を受けて同法の被保険者とならないことにより当該組合の被保険者である者及びその世帯に属する当該組合の被保険者をいう。ロにおいて同じ。)に係る額として政令の定めるところにより算定した額(以下この条において「特定給付額」という。)を控除した額
ロ 前期高齢者納付金及び後期高齢者支援金並びに介護納付金の納付に要する費用の額(前期高齢者交付金がある場合には、これを控除した額)から、当該費用の額のうち組合特定被保険者に係る費用の額として政令の定めるところにより算定した額(以下この条において「特定納付費用額」という。)を控除した額
二 特定給付額及び特定納付費用額のそれぞれに特定割合を乗じて得た額の合算額
2 前項第二号の特定割合は、百分の三十二を下回る割合であつて、健康保険法による健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金及び後期高齢者支援金並びに介護納付金の納付に要する費用を含む。)に対する国の補助の割合及び組合の財政力を勘案して、特定給付額及び特定納付費用額のそれぞれについて、政令で定めるところにより算定した割合とする。
3 第四十三条第一項の規定により一部負担金の割合を減じている組合及び組合員の全部又は一部について、その一部負担金に相当する額の全部又は一部を負担することとしている組合に対する第一項の規定の適用については、同項第一号イに掲げる額及び特定給付額は、当該一部負担金の割合の軽減又は一部負担金に相当する額の全部若しくは一部の負担の措置が講ぜられないものとして、政令の定めるところにより算定した同号イに掲げる額及び特定給付額に相当する額とする。
4 国は、第一項の補助をする場合において、政令の定めるところにより、組合の財政力等を勘案して、同項の補助の額を増額することができる。
5 前項の規定により増額することができる補助の額の総額は、第一項第一号イに掲げる額及び特定給付額(これらの額について第三項の規定の適用がある場合にあつては、同項の規定を適用して算定した額)並びに同号ロに掲げる額及び特定納付費用額の合算額の見込額の総額の百分の十五・四に相当する額の範囲内の額とする。
(国の補助)
第七十四条 国は、第六十九条、第七十条、第七十二条、第七十二条の四第二項、第七十二条の五第一項及び前条に規定するもののほか、予算の範囲内において、保健師に要する費用についてはその三分の一を、国民健康保険事業に要するその他の費用についてはその一部を補助することができる。
(都道府県及び市町村の補助及び貸付)
第七十五条 都道府県及び市町村は、第七十二条の三第二項及び第七十二条の四第三項に規定するもののほか、国民健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等並びに介護納付金の納付に要する費用を含む。)に対し、補助金を交付し、又は貸付金を貸し付けることができる。
(国民健康保険保険給付費等交付金)
第七十五条の二 都道府県は、保険給付の実施その他の国民健康保険事業の円滑かつ確実な実施を図り、及び当該都道府県内の市町村の財政状況その他の事情に応じた財政の調整を行うため、政令で定めるところにより、条例で、当該都道府県内の市町村に対し、当該市町村の国民健康保険に関する特別会計において負担する療養の給付等に要する費用その他の国民健康保険事業に要する費用について、国民健康保険保険給付費等交付金を交付する。
2 前項の規定による国民健康保険保険給付費等交付金の交付は、都道府県国民健康保険運営方針との整合性を確保して行うよう努めるものとする。
第七十五条の三 都道府県は、広域的又は医療に関する専門的な見地から、当該都道府県内の市町村による保険給付の適正な実施を確保し、国民健康保険保険給付費等交付金を適正に交付するため、厚生労働省令で定めるところにより、当該都道府県内の市町村に対し、保険医療機関等が第四十五条第四項(第五十二条第六項、第五十二条の二第三項及び第五十三条第三項において準用する場合を含む。)の規定により行つた請求及び指定訪問看護事業者が第五十四条の二第九項の規定により行つた請求その他の当該市町村による保険給付の審査及び支払に係る情報(当該市町村が、その保険給付に関する事務を国民健康保険団体連合会又は支払基金に委託した場合(次条において「事務委託の場合」という。)にあつては、当該委託された事務に関し、国民健康保険団体連合会又は支払基金が保有する情報を含む。)の提供を求めることができる。
第七十五条の四 都道府県は、当該都道府県内の市町村による保険給付がこの法律その他関係法令の規定に違反し、又は不当に行われたおそれがあると認めるときは、理由を付して、当該市町村(事務委託の場合にあつては、当該委託を受けた国民健康保険団体連合会又は支払基金を含む。)に対し、当該市町村による保険給付について再度の審査を求めることができる。
2 市町村又は国民健康保険団体連合会若しくは支払基金は、前項の規定による再度の審査の求め(以下「再審査の求め」という。)を受けたときは、当該再審査の求めに係る保険給付について再度の審査を行い、その結果を都道府県知事に報告しなければならない。
第七十五条の五 都道府県は、再審査の求めをしたにもかかわらず、当該市町村が当該再審査の求めに係る保険給付の全部又は一部を取り消さない場合であつて、当該保険給付がこの法律その他関係法令の規定に違反し、又は不当に行われたものと認めるとき(当該再審査の求めに基づく審査が第八十七条第一項に規定する国民健康保険診療報酬審査委員会(第四十五条第六項の規定により国民健康保険団体連合会が診療報酬請求書の審査に係る事務を同項に規定する厚生労働大臣が指定する法人(以下「指定法人」という。)に委託した場合において、当該診療報酬請求書の審査を行う者を含む。)又は社会保険診療報酬支払基金法第十六条第一項に規定する審査委員会若しくは同法第二十一条第一項に規定する特別審査委員会において行われたときを除く。)は、当該市町村に対し、当該保険給付の全部又は一部を取り消すべきことを勧告することができる。
2 都道府県は、前項の規定による勧告を行うに当たつては、あらかじめ、当該市町村の意見を聴かなければならない。
第七十五条の六 都道府県は、前条第一項の規定により保険給付の全部又は一部を取り消すべきことを勧告したにもかかわらず、当該市町村が当該勧告に従わなかつたときは、国民健康保険保険給付費等交付金の交付に当たり、政令で定めるところにより、国民健康保険保険給付費等交付金の額から当該保険給付(当該勧告に係る部分に限る。)に相当する額を減額することができる。
(国民健康保険事業費納付金の徴収及び納付義務)
第七十五条の七 都道府県は、当該都道府県の国民健康保険に関する特別会計において負担する国民健康保険保険給付費等交付金の交付に要する費用その他の国民健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等並びに介護納付金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、政令で定めるところにより、条例で、年度(毎年四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下同じ。)ごとに、当該都道府県内の市町村から、国民健康保険事業費納付金を徴収するものとする。
2 市町村は、前項の国民健康保険事業費納付金を納付しなければならない。

 

国民健康保険団体連合会

診療報酬の審査及び支払に関する事務の委託

(保険医療機関等の診療報酬)

第四十五条

4 市町村及び組合は、保険医療機関等から療養の給付に関する費用の請求があつたときは、第四十条に規定する準則並びに第二項に規定する額の算定方法及び前項の定めに照らして審査した上、支払うものとする。

5 市町村及び組合は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を都道府県の区域を区域とする国民健康保険団体連合会(加入している都道府県、市町村及び組合の数がその区域内の都道府県、市町村及び組合の総数の三分の二に達しないものを除く。)又は社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)に委託することができる。

国民健康保険団体連合会

(設立、人格及び名称)

第八十三条 都道府県若しくは市町村又は組合は、共同してその目的を達成するため、国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)を設立することができる。

(設立の認可等)

第八十四条 連合会を設立しようとするときは、当該連合会の区域をその区域に含む都道府県を統轄する都道府県知事の認可を受けなければならない。

3 都道府県の区域を区域とする連合会に、その区域内の都道府県及び市町村並びに組合の三分の二以上が加入したときは、当該区域内のその他の都道府県及び市町村並びに組合は、全て当該連合会の会員となる。

 

審査請求

審査請求

(審査請求)

第九十一条 保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求又は返還に関する処分を含む。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、国民健康保険審査会に審査請求をすることができる。

2 前項の審査請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。

国民健康保険審査会

(審査会の設置)

第九十二条 国民健康保険審査会(以下「審査会」という。)は、各都道府県に置く。

(組織)

第九十三条 審査会は、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び公益を代表する委員各三人をもつて組織する。

2 委員は、非常勤とする。

審査請求の期間及び方式

(審査請求の期間及び方式)

第九十九条 審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して三月以内に、文書又は口頭でしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査請求をすることができなかつたことを疎明したときは、この限りでない。

不服申立前置主義

(審査請求と訴訟との関係)

第百三条 第九十一条第一項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。

これを「不服申立前置主義」という。

 

時効

時効については、国民健康保険法110条に定めがある。

(時効)

第百十条 保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。

2 保険料その他この法律の規定による徴収金の徴収の告知又は督促は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を生ずる。

 

保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によって消滅する(国民健康保険法110条1項)。

ただし、保険料その他この法律の規定による徴収金の徴収の告知又は督促は、時効中断の効力を生ずる(国民健康保険法110条2項)。つまり、2年の時効期間が、告知又は督促の時点から新たに進行することになる。

 

参考ページ

国民健康保険法 – Wikipedia

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