遺言

遺言の意義

遺言とは、死後の法律関係を定めるための最終意思の表示である。

遺言をする者を遺言者という。

遺言制度は、遺言者の生前の最終意思を尊重して、遺言者の死後に法律上その効力を認めるものである。

 

遺言の法的性質

遺言には、次の法的性質がある。

  • 死因行為(死後行為)
  • 要式行為
  • 単独行為
  • 代理に親しまない行為
  • 撤回可能な行為
  • 法定事項に限りなすことができる行為(法定事項に限りすることができる行為)

死因行為(死後行為)

遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる(民法985条1項)。

要式行為

遺言は、民法に定める方式に従わなければならない(民法960条)。民法で定める方式に従わない遺言は無効である。

遺言は遺言者の死亡の時から効力を生じる(民法985条1項)から、遺言の効力が生じてから遺言者の真意を確認することができない。遺言の内容があいまいな場合、あるいは遺言が偽造・変造された場合、遺言の効力が生じてから遺言者の真意を確認することはできないから、遺言の内容や効果をめぐって相続人間で争いが生じやすい。そこで、遺言者の真意を明確にし、後日の紛争を防止するため、遺言には法律で厳格な要式が求められている。

単独行為

遺言は相手方のない単独行為である。相続人や受遺者(遺言により遺言者の財産を譲り受ける者)の承諾は必要ない。

代理に親しまない行為

遺言者の最終意思を尊重する観点から、遺言は遺言者本人の独立の意思に基づいてなされなければならない。

それゆえ、遺言の代理は許されない。

遺言について、制限行為能力制度の適用は排除される。

撤回可能な行為

 

法定事項に限りなすことができる行為

遺言は、法定されている事項に限りすることができる。

 

参考ページ

遺言 – Wikipedia


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