法人の設立主義
法人の設立主義(ほうじんのせつりつしゅぎ)とは、法人の設立方法に関する政府の方針である。
法人の設立主義の種類
上から順に、法人設立に対する政府の関与が弱くなっていく。
- 法人法定主義
- 特許主義
- 強制主義
- 許可主義
- 認可主義
- 認証主義
- 準則主義
- 当然設立主義
- 自由設立主義
法人法定主義
法人法定主義(ほうじんほうていしゅぎ)とは、法人は法律に基づいて設立されるという考え方である。
特許主義
特許主義(とっきょしゅぎ)とは、法人を設立するためには個別に法律を定める(特別法を定める)必要があるという考え方である。
特許主義の例
- 日本銀行(設立根拠法:日本銀行法)
強制主義
強制主義(きょうせいしゅぎ)とは、政府が一定の者に対して、法人の設立や法人への加入を強制する必要があるという考え方である。
強制主義の例
- 弁護士会
- 弁理士会
許可主義
許可主義(きょかしゅぎ)とは、法人を設立するためには政府の自由裁量に基づく許可が必要であるという考え方である。
許可主義の例
- 公益社団法人・公益財団法人
認可主義
認可主義(にんかしゅぎ)とは、法人を設立するためには政府の法規裁量に基づく認可が必要であるという考え方である。
許可主義と違い、法令で定められた要件を満たした場合、政府は法人設立を認めなければならない。
ただし、要件の解釈において、政府の裁量が入る余地がある。
認可主義の例
- 学校法人
認証主義
認証主義(にんしょうしゅぎ)とは、法人を設立するためには法令で定められた要件を満たしているかどうかについて政府の確認(認証)が必要であるという考え方である。
認可主義に比べ、政府の裁量が入る余地はほとんどない。
認証主義の例
- 宗教法人
- NPO法人
準則主義
準則主義(じゅんそくしゅぎ)とは、法令で定められた要件を満たせば、法人を設立することができるという考え方である。
準則主義のもとでは、法人の設立に、政府の裁量に基づく許可・認可や認証を必要としない。
ただし、法令で定められた手続をする必要がある。
準則主義の例
- 日本の会社法上の会社(株式会社、合同会社、合資会社および合名会社)
- 一般社団法人・一般財団法人
当然設立主義
当然設立主義(とうぜんせつりつしゅぎ)とは、法令で定められた要件を満たせば、手続をしなくても法人として認められるという考え方である。
当然設立主義の例
- 国
- 地方公共団体
- 相続財産法人
自由設立主義
自由設立主義(じゆうせつりつしゅぎ)とは、団体としての実体を備えていれば、当然に法人として認められる(法人格が付与される)という考え方である。
当然設立主義の例
- スイスの非営利社団法人(スイス民法60条)
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